2026/11/04 10:45
先に結論。お酒を飲む日は、お酒と同じかそれ以上の量の水を、時間を分けて飲んでおく。これだけで翌朝の重さがだいぶ変わる、と自分では思ってる。
理由はシンプルで、アルコールは体の水を外に出す方向に働くから。飲んだ量だけ水分が足されるわけじゃない。むしろ出ていく方が多い。ここをちゃんと理解しておくと、飲み会の途中で「もう一杯」か「水にしとくか」の判断が早くなる。
なぜお酒を飲むと体の水が減るのか
普段、体は「抗利尿ホルモン(バソプレシン/ADH)」というホルモンを出して、腎臓で水を再吸収している。要するに、必要な水は体に戻して、余った分だけオシッコにする仕組み。
アルコールはこのバソプレシンの分泌を抑えてしまう。再吸収の指令が弱くなるから、本来戻すはずの水までトイレに流れていく。そう。飲んだビールの量以上に、水が外に出ていくことがある。
さらにアルコールの分解自体にも水が要る。肝臓でアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに変わり、次にアルデヒド脱水素酵素で酢酸になって、最終的に水と二酸化炭素に分かれる。この工程で体の水が使われるので、度数の高い酒ほど水の消耗も大きいと考えてよさそう。
そしてアセトアルデヒド。これが翌朝の頭痛・吐き気・動悸に関わる代謝途中の物質だ。水をしっかり摂ることで分解がラクになるかは個人差があるけれど、少なくとも脱水の重なった状態よりはマシになる、というのが自分の実感。
「和らぎ水」と「チェイサー」は同じ目的
日本酒を飲むときに合間に挟む水を「和らぎ水」、ウイスキーなど強い酒と交互に飲む水を「チェイサー」と呼ぶ。呼び方は違うけど狙いは同じで、口や胃の中のアルコール濃度を下げて、体に入るスピードを緩めること。
自分は去年、同僚の送別会で日本酒の冷酒を2合ペースで飲んだときに、お店の人が最初から徳利と同じサイズの水差しを置いてくれた。「同じ量、飲んでくださいね」と一言。半信半疑でやったら、翌朝の重さが明らかに違った。あれ以来、居酒屋でもウーロン茶じゃなくて水を頼むようになった。
目安としては、飲んだお酒と同量の水。ビール中瓶1本なら500ml、日本酒1合なら180ml。いっぺんに飲むより、一杯飲んだら一口、くらいの感覚で挟んでいく方が続けやすい。
タイミング別、どれくらい飲むか
飲む前:コップ1杯(200ml前後)の常温水。胃が空っぽの状態でアルコールが入ると吸収が早いので、水と、できれば何か食べ物を入れておく。
飲んでいる最中:お酒と同量の水を、合間に挟む。ここが一番サボりがち。でも一番効く。
飲み終わり〜就寝前:コップ1〜2杯。寝ている間はトイレに行かない分、脱水が進みやすい。特に高齢の方は夜間の脱水リスクが高いので、無理のない範囲で枕元に水を置いておくといい。
起床後:まずコップ1杯。喉が乾いてなくても飲む。朝食のときにスープや味噌汁を足せるとなお良い。
厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」は純アルコール20g。日本酒1合、ビール中瓶1本、缶チューハイ(7%)350ml缶が、だいたいこの量にあたる。この範囲で、水を同量以上挟むのが一番ラクな付き合い方だと思ってる。
水・ミネラルウォーター・経口補水液、どれがいいか
普段の飲み会なら、常温の水道水か軟水のミネラルウォーターで十分。冷たすぎる水は胃に負担がかかるので、できれば常温。
翌朝、明らかに脱水しているなと感じるとき(口の中がカラカラ、頭が重い、尿の色が濃い)は経口補水液という選択肢もある。ナトリウムやカリウムといった電解質と、ブドウ糖が一定の比率で入っていて、水単独より吸収効率が設計されている飲み物だ。普段使いするものではなく、「明らかに失った」ときの選択肢と考えておく方がいい。
ちなみに「ビールも水分だから大丈夫」は成立しない。摂取した水分量より、尿として出ていく量の方が多くなるケースがあるからだ。喉の渇きをビールで満たす、はループから抜けられなくなる。
自分なりの付き合い方を決めておく
ここまで書いたのは一般論に近い。実際にどれくらいの量で翌日に響くかは、人によって本当に違う。自分は46歳の年あたりから、35歳の頃と同じペースで飲むと確実に翌日ダメになるようになった。量を減らすのが一番だけど、減らせない日もある。そういう日のために、水の挟み方だけでも先に決めておくと、飲みの場で迷わなくて済む。
まずは次の飲み会で、最初の一杯と同時に水をもう一杯もらう。それだけ試してみてほしい。翌朝の違いが分かれば、あとは自分のペースが自然と見えてくるはず。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット / NIAAA(米国国立アルコール乱用・依存症研究所)Alcohol's Effects on the Body
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