2026/10/11 17:00

砂糖の代わりに使われる甘味料として、ステビアの名前を見かける機会が増えた。コンビニのペットボトル飲料の原材料表示をひっくり返すと、果糖ぶどう糖液糖と並んで小さく「甘味料(ステビア)」と書かれていることがある。あれは何なのか。

結論から書くと、ステビアは南米原産の植物の葉から取り出した甘味成分だ。化学合成されたサッカリンやアスパルテームとは出自が違う。以下、順を追ってまとめる。

そもそもステビアは植物の名前

学名はStevia rebaudiana Bertoni。キク科ステビア属の多年草で、原産地はパラグアイとブラジル国境あたりの山地だ。現地に暮らすグアラニー族は、この葉を「カーヘエ(甘い草)」と呼び、マテ茶に混ぜたり薬草として使ったりしてきた歴史がある。数百年単位の話だ。

見た目はミントに似た小ぶりの葉。生の葉を1枚かじると、驚くほど甘い。砂糖とは少し違う、後をひく独特の甘さがある。

ファイブポイントデトックス

甘さの正体はステビオール配糖体

葉に含まれる甘味成分は、ステビオール配糖体(Steviol glycosides)と総称される化合物群だ。代表的なのがステビオシドとレバウディオサイドA(通称レバウディオサイド)。

この成分、ショ糖つまり普通の砂糖と比べて、精製度にもよるが約200〜400倍の甘さを持つとされる。小さじ1杯の砂糖を、ごく少量のステビオール配糖体で置き換えられる計算になる。

仕組みとしては、舌の甘味受容体にはまり込んで「甘い」というシグナルを出す。ただ、分子として体内で代謝・吸収される経路をほとんど持たないため、エネルギー源にならない。だから実質ノンカロリーとして扱われている。

安全性はどう評価されているか

国際的な評価機関のデータを並べる。

JECFA(FAOとWHOの合同食品添加物専門家会議)は、ステビオール配糖体の一日摂取許容量を体重1kgあたり0〜4mg(ステビオール換算)と設定している。体重60kgの人なら240mgまで。砂糖の数百倍甘いことを考えると、普通の食生活でこの数値を超えるのは難しい。

米国FDAは高純度のステビオール配糖体をGRAS(一般に安全と認められる物質)として扱い、EUでも食品添加物E960として認可されている。日本では既存添加物名簿に収載された甘味料として、厚生労働省の管轄で食品添加物に指定されている。

ちなみに、日本は1970年代からステビアを食品用甘味料として本格的に商用利用してきた国で、世界的に見ると早い部類に入る。緑茶飲料や漬物、低カロリー食品で目にする機会が多いのはそのためだ。

人工甘味料とは何が違うのか

アスパルテームやスクラロースは化学合成で作られる。一方ステビアは、葉から水で抽出して精製したもの。出発点が植物であるという一点で、カテゴリとしては天然甘味料に分類される。

ただし「天然=必ず安全」「人工=必ず危険」という単純な話ではない。どちらも各国の規制機関が摂取量の上限を設定したうえで使用を認めている。選ぶ基準は、味の好みや用途、何を信頼するかによる。

調理での扱い

熱と酸に比較的強いのが特徴で、加熱調理や酸性の飲料でも甘さが失われにくい。パンや焼き菓子、炭酸飲料にも使われている理由はここにある。砂糖のように焦げてカラメル化することはないので、見た目や食感を砂糖で出していたレシピをそのまま置き換えると違和感が出る。甘さだけを足したいときに向いている。

まとめ

ステビアは南米の草の葉から取れる甘味成分で、砂糖の200〜400倍甘く、ほぼカロリーがない。国際機関の安全性評価もひととおり通過していて、日本では食品添加物として50年近く使われてきた。

原材料表示を見るクセがつくと、思っていた以上にいろんな食品に入っていることに気づく。甘いものを控えたい人にとっては、選択肢のひとつとして知っておいて損のない成分だと思う。

詳しくは ファイブポイントデトックス をご覧ください。

ファイブポイントデトックス