2026/08/22 08:34

金曜の夜にビールを3杯、日本酒を2合。翌朝の鏡で自分の顔を見て「誰?」となった経験、たぶん多くの人にある。私も先月、久しぶりに会った友人と居酒屋で飲んだ翌朝、まぶたが腫れぼったくて午前中の予定を1時間ずらした。

お酒を飲んだ翌朝にむくむのは、気のせいでも太ったわけでもない。体の中で起きていることを順番に見ていくと、けっこう筋の通った現象だとわかる。

飲むとトイレが近くなるのに、なぜ体は水を溜め込むのか

矛盾しているようだけど、これがむくみの中心にある話。

アルコールには利尿作用があって、飲んだ量よりも多い水分が尿として出ていく。厚生労働省のe-ヘルスネットでも触れられているとおり、ビール1リットルを飲むと1.1リットル前後の尿が出るとされる。つまり飲めば飲むほど体は脱水に傾く。

ここで登場するのがバソプレシンという抗利尿ホルモン。本来これが「水を尿として出しすぎないように」と腎臓にブレーキをかけている。ところがアルコールはこのバソプレシンの分泌を抑える。ブレーキが効かないから水がどんどん出ていく。

そう。ここまでは「脱水」の話。

問題はこの後だ。体は脱水を感知すると、次の段階で反動的に水を溜め込もうとする。ホルモンバランスが揺り戻され、腎臓は「今度は水を逃すな」というモードに切り替わる。この反跳(はんちょう)反応が、翌朝のむくみの正体に近い。

ファイブポイントデトックス

血管が広がって、水が組織にしみ出す

もうひとつの要因が血管拡張。アルコールを飲むと顔が赤くなるのは、末梢の血管が広がっているから。血管が広がると血管の壁から周囲の組織へ水分がしみ出しやすくなる。

特に顔、それもまぶたの周りは皮膚が薄くて皮下組織がゆるい。寝ている間は重力の影響で頭部に水分が停滞しやすい。飲酒+就寝+顔の解剖学的な条件、この3つが重なって朝の「誰これ」につながる。

おつまみの塩分も地味に効いてくる

居酒屋のメニューを思い出してほしい。枝豆、焼き鳥のタレ、唐揚げ、〆のラーメン。全部しょっぱい。

ナトリウムを多く摂ると体は浸透圧を保つために水を溜める。一方でカリウム(野菜や果物に多い)は不足しがち。飲みの席では野菜の副菜って後回しになる。私も気づくと肉と揚げ物ばかり頼んでる。

ナトリウム過多+カリウム不足+アルコールの反跳性の水溜め込み。この3つが揃うと、翌朝の顔と脚は分かりやすく重くなる。

アセトアルデヒドの代謝も同時進行している

アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸に変わって最終的に水と二酸化炭素になる。この過程で肝臓はフル稼働していて、水分代謝以外の処理能力も一時的に落ちる。

アセトアルデヒドは血管拡張作用があるうえ、頭痛や吐き気、いわゆる二日酔いの症状の主犯でもある。むくみと二日酔いが同じ朝に来るのは、原因が根っこで重なっているから。

翌朝を少しでもラクにするために試していること

私が最近やっているのは、シンプルな3つ。

ひとつ目は、お酒と同量くらいの水をチェイサーで飲む。ビール500mlなら水も500ml、みたいなペース。これだけで翌朝の顔が明らかに違う。

ふたつ目は、寝る前にコップ1杯の常温の水。脱水の底を浅くしておくイメージ。

3つ目は、おつまみで意識的に野菜を頼むこと。冷やしトマト、お浸し、キャベツの千切り。カリウムを補給するつもりで。

あとは当たり前だけど、飲む量そのものを減らす。20代の頃と同じペースで飲んでいた30代前半、私は毎週末むくみに悩んでいた。量を7割にしただけで、翌朝の景色が変わった。

受診したほうがいい「むくみ」もある

飲酒と関係なく朝も夕方も脚がむくむ、指で押すとへこんだままなかなか戻らない、息切れや尿量の変化を伴う——こういう場合は肝臓・腎臓・心臓の問題が背景にあることもある。飲みの翌朝だけの一過性のむくみとは別物として、内科で相談してほしい。

体調管理の選択肢のひとつとして

飲酒後の体は、水分代謝もミネラルバランスも肝臓の処理も、いろんな要素が同時に動いている。日々の食事や水分補給を整えるのが基本で、それを補うかたちでサプリメントを取り入れる人もいる。ファイブポイントデトックスもそうした選択肢のひとつとして知っておいてもらえたら。まずは飲む量と水と野菜、ここからでも十分変わる。

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