2026/08/21 08:34
金曜の夜にビール3杯、ハイボール2杯。翌朝、鏡を見たら瞼が腫れぼったくて、顎のラインもぼやけている。あの現象、単純に「飲みすぎた」で片付けている人が多いけど、体の中では意外と複雑なことが起きている。
仕組みを知っておくと、飲む日の過ごし方が少し変わる。今日はそういう話。
そもそもアルコールは「脱水」を起こす
アルコールを飲むと、脳から出るバソプレシン(抗利尿ホルモン)の分泌が抑えられる。これは腎臓に「水分を体に戻せ」と指示するホルモンで、これが減ると尿の量が増える。ビール500mlを飲むと、それ以上の水分が尿として出ていく計算になることもある。
つまり、飲酒中の体は水を溜めているどころか、失っている。ここが直感と逆で、面白いところだ。
じゃあ、なぜ翌朝むくむのか
脱水しているのに、顔はパンパン。矛盾しているようで、これが体の防御反応だ。
体が水分を失うと、今度は「これ以上出したくない」というモードに切り替わる。翌朝になるとバソプレシンが逆に強く働いて、水を溜め込みにいく。夜のうちに飲んだ水や、朝いちで飲んだコップ一杯の水が、うまく排出されずに皮下に留まる。これが、あの瞼の腫れの正体だ。
加えて、アセトアルデヒド——アルコールが分解される途中でできる物質——が血管を広げる作用を持つ。血管が広がると、血管の壁から水分が組織側に漏れやすくなる。顔がぼんやり丸くなる感覚は、これも関係している。
おつまみの塩分という伏兵
ここまでの話に、もう一つ厄介な要素が乗ってくる。塩だ。
枝豆、唐揚げ、ラーメンで締める——居酒屋のメニューは、ほぼ全部しょっぱい。ナトリウムが増えると体は「水で薄めよう」として水分を貯める。脱水と塩分過多が同時に起きているわけで、翌朝の顔がむくまないほうがおかしい。
厚生労働省が推奨する1日の食塩摂取量は男性7.5g未満、女性6.5g未満だが、飲み会1回で軽く超える人がほとんどだと思う。私自身、去年の忘年会の翌朝、体重が1.8kg増えていて驚いた。ほぼ水分だった。
睡眠の質も落ちている
飲むとよく眠れる気がする、あれも錯覚に近い。アルコールが分解される後半で覚醒しやすくなり、深い睡眠が減る。夜中に何度もトイレに起きた朝は、だいたい顔が浮腫んでいる。眠りが浅いと血流やリンパの巡りも鈍るので、朝までに戻りきらない。
じゃあ、どうすればいいか
完璧な対策はない。飲まないのが一番、というのはわかっている。ただ現実的には、飲みたい日は飲む。その上でできることを並べておく。
飲みながら水を挟む。「和らぎ水」と呼ばれる、日本酒の合間に飲む水のこと。ハイボール1杯につきコップ1杯の水、これを守るだけで翌朝が明らかに違う。私の職場だと11人中7人が実感していると答えた。
純アルコール20g前後を目安に。厚労省の「健康日本21」でも節度ある飲酒量として示されている数値だ。ビールならロング缶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯くらい。
塩分の高いおつまみを最後に持ってこない。締めのラーメンは、翌朝への負債。どうしても食べたいなら、その分、翌日の朝食は塩を控える。
翌朝はカリウムを含む食品を。バナナ、アボカド、ほうれん草、里芋あたり。カリウムはナトリウムの排出を助ける働きがあるとされている。
体が戻るまでの時間を、少し丁寧に
翌朝のむくみは、体が水分バランスを取り戻そうとしている過渡期のサインだ。何もしなくても半日から1日で落ち着くことがほとんどだけど、その半日をどう過ごすかで、体の軽さは変わる。
白湯を飲む、湯船に浸かる、少し歩く。派手なことじゃなくていい。飲んだ夜の自分に「明日の自分、ごめんな」と思ったら、翌朝の自分にひとつだけ優しくする。それくらいの気楽さでちょうどいい、と思ってます。
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