2026/08/19 08:34
「食物繊維をたくさん摂れば摂るほど良い」と思ってる人、意外と多い。自分も昔そう思ってて、青汁とサプリと玄米を同じ日に重ねた結果、翌朝お腹を下した。あれは失敗だった。
食物繊維は、ヒトの消化酵素では分解されない成分の総称だ。小腸を素通りして大腸まで届く。基本的には不足のほうが問題で、平成30年の国民健康・栄養調査でも、20〜40代の摂取量は目標量に届いてない。ただ、サプリやトクホで意識的に足してる人の場合、話は変わってくる。
摂りすぎたときに起きること
症状は、水溶性か不溶性かで違う。ここを分けて考えないと、対策を間違える。
水溶性食物繊維の場合——水に溶けて粘性を持つ性質があるため、摂りすぎると便が緩くなる。ペクチン(果物)、アルギン酸(昆布・わかめ)、イヌリン、難消化性デキストリンなどが代表。トクホ飲料を1日に何本も飲む人は、ここで下痢や軟便になりやすい。
不溶性食物繊維の場合——水分を吸ってふくらむ性質があるので、水分が足りないと逆に便が固くなる。セルロースやリグニンなど、野菜や穀類の細胞壁に多い。便秘を治そうとして野菜をどっさり食べたら悪化した、というのはこのパターン。
もうひとつ見落とされがちなのが、鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛といったミネラルの吸収を妨げることがあると報告されている点。貧血気味の人がサプリで食物繊維をガンガン足すのは、少し立ち止まったほうがいい。
1日の目安はどれくらいか
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、18〜64歳の目標量は男性21g以上、女性18g以上。2025年版で成人男性の目標量が一部引き上げられた。
興味深いのは、食物繊維には耐容上限量(UL)が設定されていないこと。理由は「種類が多様すぎて、一律の安全上限を科学的に決められない」から。つまり、何gまでならセーフという線引きが公式には存在しない。個人差が大きいということでもある。
ざっくりの感覚として、通常の食事だけで目標量を超えるのはかなり難しい。ごぼう1本で約6g、納豆1パックで約3g、玄米1膳で約2g。これを足していく地道な作業になる。
崩れやすいのはサプリ・トクホを重ねたとき
問題が起きやすいのは、食事とは別に濃縮された食物繊維を足したときだ。難消化性デキストリンのトクホ飲料、イヌリンの粉末、青汁、ファイバーサプリ。単体では表示通りの量でも、複数を並行で使うと簡単に上限の目安を超える。
自分の場合、朝に難消化性デキストリンの飲料、昼にサラダ、夜に玄米と味噌汁を続けた週があって、後半は明らかにお腹が張った。1つやめたら翌日には落ち着いた。何が過剰かは、引き算してみないとわからない。
体質や状況で変わる
過敏性腸症候群の人は、水溶性でも不溶性でも症状が出やすい。妊娠中は便秘になりやすい一方で、急に食物繊維を増やすと張りが強くなることもある。持病がある場合は、自己判断で足すより医師に相談したほうが早い。
結局、何を意識すればいいのか
ざっくりまとめると、こういう順番で考えるのが現実的だと思ってる。
まず、普段の食事で野菜・豆・海藻・きのこ・全粒穀類のどれかが1日に何回登場してるかを数える。ゼロ〜1回なら不足側なので、食品から足す。3回以上あって、さらにサプリやトクホも重ねてるなら、いったん引いてみる。
水分をしっかり摂ることも忘れがち。不溶性食物繊維は水がないと逆効果になる。あと、水溶性と不溶性は2:1くらいのバランスが目安とされているが、これも厳密に測るというより「片方に偏らないように」くらいで十分だ。
お知らせ
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