2026/07/19 08:34
妊娠がわかってから葉酸を意識し始める人は多い。ただ、栄養学の資料を読むと「気づいた時点では少し遅い」という話が繰り返し出てくる。理由はシンプルで、赤ちゃんの神経管という器官が作られるのが受精後28日前後だからだ。生理が来ないな、と気づくのがだいたいこの頃。つまり妊娠検査薬が陽性になる時点で、必要な時期の入り口はもう始まっている。
そう。だから妊娠前から、という話になる。
葉酸ってそもそも何をしている栄養素か
葉酸は水溶性のビタミンB群のひとつで、DNAの合成や赤血球を作る過程に関わることが知られている。ほうれん草から見つかった経緯があって、名前も葉っぱの「葉」から来ている。体に貯めておきにくいタイプの栄養素なので、毎日少しずつ入れておく発想が基本になる。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、成人女性の推奨量は1日240μg。ここに妊娠を計画している人・妊娠の可能性がある人・妊娠初期の人は、食事とは別に1日400μgのモノグルタミン酸型葉酸を上乗せするよう案内されている。中期・後期は+240μg、授乳期は+100μgと、期間ごとに数字が細かく変わる。
「食品の葉酸」と「サプリの葉酸」は同じではない
ここが意外と知られていない部分。食品に含まれる葉酸のほとんどはポリグルタミン酸型と呼ばれる形で、サプリメントや強化食品に使われるのはモノグルタミン酸型という別の形になる。同じ「葉酸」でも吸収のされ方が違っていて、一般にモノグルタミン酸型のほうが体に取り込まれやすいと報告されている。
厚労省が妊娠前後の付加分として「サプリメント等から400μg」と、わざわざ供給源を指定しているのはこの吸収率の差が背景にある。食品からだけで補おうとすると、調理での損失もあってなかなか届きにくい。葉酸は水にも熱にも光にも弱い。茹でこぼしたほうれん草だと、生の状態から結構な量が減る計算になる。
葉酸が多く含まれる食品
目安として、以下は葉酸を多く含む食品としてよく挙げられるもの。
鶏レバー、牛レバー、ほうれん草、枝豆、ブロッコリー、アスパラガス、いちご、納豆。
レバーは含有量が突出して多い一方で、ビタミンAの摂りすぎに気をつけたい時期があるため、妊娠初期は頻度を考える必要がある。日常的に続けやすいのは、枝豆・ブロッコリー・納豆あたり。個人的には、朝に納豆を食べる習慣があるだけでもだいぶ違うと感じている。いちごは季節ものだけれど、旬の時期なら手軽で悪くない。
じゃあサプリはどう考えるか
食事だけでは足りないから、というより「妊娠前後の付加分はサプリで」という設計になっているのが今の推奨。1日400μgのモノグルタミン酸型を、食事とは別に足すイメージになる。
選ぶときに見ておきたい点は、含有量が推奨値に沿っているか、原材料や添加物の記載がわかりやすいか、あたり。GMP認証などの製造管理が明記されている製品もある。ここは自分の判断で選ぶ領域。
過剰摂取の耐容上限は、サプリメント等由来のモノグルタミン酸型として成人で1日1,000μg。強化食品を複数使う人は、合計で見ておくと安心。
いつからいつまで、を整理すると
妊娠を計画し始めた時点から、というのが公的機関の共通した案内になる。CDC(米疾病予防管理センター)も、妊娠可能年齢の女性に1日400μgを推奨していて、これは「妊娠に気づいてから」ではなく「その前から」を含んでいる。
妊娠がわかった後もそのまま継続し、中期・後期は付加量が変わる。授乳期にも+100μgが続く。つまり、妊活を意識し始めた時期から授乳が終わるまで、期間としてはそれなりに長い付き合いになる栄養素だ。
まとめると
葉酸は「妊娠してから慌てて」ではなく、「そろそろかな」の段階で始めるのが理にかなっている。食事で葉物野菜や豆類を意識しつつ、付加分はサプリで、というのが今の推奨の組み立て方。細かい数字は厚生労働省のe-ヘルスネットや食事摂取基準の資料に載っているので、気になる人は一度目を通しておくと迷いが減ると思う。
体を作る時期の栄養は、後から埋め合わせが難しい部分がある。だからこそ、始めるタイミングを少し前倒しにしておく——これがいちばん実用的な考え方だと感じている。
詳しくは ファイブポイントデトックス をご覧ください。

